韓国の記憶 #16
KOUDA YUJI

20001222

16.)韓国の音楽について

今年はどの年よりも変動の激しい1年で、歌手生命を左右するほどの大事故・事件も相次いだ。

■ソロ全盛時代
昨年までの歌謡界はダンスグループに支配され、90年代前半はソテジワアイドル、後半はH.O.Tと男性グループが牙城(がじょう)を築いた。しかし昨年に引き続き、今年も打って変わって、チョ・ソンモなどソロの実力派歌手が、セールスともにトップの座をかっさらった。このようなソロの活躍にも負けず、根強いグループ人気を見せつけたのは男性5人のgod。クリーンなイメージで幅広い年齢層をファンに持ち、アナログ世代とデジタル世代をつなぐパイプ役としても貢献した。

■音盤市場は低迷続き
金融危機以降、音盤市場は先細り傾向を見せているところに、MP3の普及が重なり、市場は低迷から抜け出せない様相だ。「昨年からは3分の1以上縮小」(業界関係者)し、今後も好転する兆しはなく、懸念の声が高まっている。難局を打開する生き残りの道として、インターネット上の「e−ビジネス」が注目されている。

■オムニバスアルバムの躍進
昨年に引き続き、テレビドラマや映画などで使われたテーマ曲を収録したアルバムが人気。ドラマでの放映がきっかけで、新人の跳躍チャンスともなる宣伝効果もあり、今後、さらにドラマ主題歌が注目される傾向にある。

■痛ましい事件・事故多発
今年11月は歌謡界にとって「残忍な月」となった。もっとも印象に残るのが、夏に欧州風のテクノを取り入れ、爆発的な人気を呼んだ男性デュオ・クローンの1人がバイク事故で下半身マヒとなり、再起不能に。さらに人気女性アイドル、ペク・ジヨンの性生活ビデオ流通で、プライベートの侵害など社会全般に深刻な波紋を呼んだ。

■レコードセールス
1位から30位までの合計が約1681万枚(シンナラレコード調べ)で、昨年並みとなった。が、ふたを開けてみると、映画界のようにブロックバスター級のビッグなソテジやチョ・ソンモのアルバムが市場全体の4分の1を占める独占・寡占状態。このため優れた音楽センスを持つ歌手が実力を発揮できず、ポップ市場の低迷はかなり深刻な域に達している。

■プロモーションビデオはあなどれない
韓国の音楽界にもはやなくてはならない存在のプロモーションビデオ。単純な新曲のPRではなく、歌手のイメージ作りに欠かせない重要な宣伝道具としてフル活用されている。内容も映画並みのストーリー構成に巨額の制作費がつぎ込まれ、人気歌手なら億(ウォン)はくだらないとか。今年最高の制作費を誇るのは、今月、新曲をひっさげて帰国したパワフルなダンス歌手、ユ・スンジュンの8億ウォン。

■中年のフォーク歌手が復活か
70〜80年代に活躍していたフォーク歌手が舞い戻ってきた。日本でも今年の紅白歌合戦でピンクレディーが再結成されるなど、オールディーズ人気が高まっているが、韓国でも同じ。当時人気を博したフォークビッグ4が勢揃いした公演チケットはすべて売り切れ御免となり、フォーク音楽のカムバックを予測させている。来年のレコードセールス次第では、30代以上をターゲットとする音楽市場が形成されることも見込まれている。

■ポップのセールス市場は底なし沼
激減となったポップ市場は、リッキー・マーティンのようなビッグアーティストでさえ10万枚未満の売り上げ不調。さらにポップチャートの全般が、ヒット曲を集めたオムニバスアルバムで占められ、オリジナルアルバムのセールスは低空飛行。そんななか日本のニューエイジピアニストの倉本裕基がチャート1位と6位の上位に食い込む快挙を見せた。また発売月の11月までの記録しかないが、ビートルズの記念アルバムは絶大の人気を集めているようだ。

つづく

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