「Viet Nam 日誌」
ふくちゃん vol. 9-1

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おしまいに

 これまで、ぼくは旅らしい旅なんてしたことがなかった。今回の旅行も「旅」なんてたいそうなものでもなかったのだが…。でも、なにをもって旅とするかなんて人それぞれなんだと思う。こうやって飛行機にのって外国で行くのも旅なら、毎朝通っている駅までの道をちょっと変えてみるのも、これまた立派な旅だと思う。もしかしたら、そっちの方でよっぽどすごいものを発見できるかもしれないし…。

 よく旅に出て「何か変わった?」と聞かれる。しかし、ぼくにはよくわからない。変わったと言われれば変わったような気もするし、そうでないと言われればそのまんまだ。でも、「旅行に行った人はなにか変わらなければならない」というきまりも特にないし、それはどっちでもいいと思う。
 しかし、独りだけで見知らぬ国へ行くという感覚は、ちょっとそのへんの言葉では言い表すことができないくらい、なんというかスリリングな感覚だった。ぼくは、初めて降りたったタンソンニャット国際空港、あの、もわっとしたなんともいえぬ感覚を一生決して忘れろことはないだろう。なぜなら、未知、不安、期待、孤独…そのような感覚がそれこそ容赦することなく、ぼくの五感のすべてから進入し、こころの底から吹き出してくるなだから。そのうえ、周りの人たちの言葉も一言も理解することもできない。自分の寝る場所すらも決まってない。

「ほとんどない」と言ってみればほとんどないし、「たくさんある」と言われればたくさんある、でも強いてぼくのなかで「変わったこと」挙げるとすれば、ぼくは

いままでの人生のなかで、初めてそのような状況に自分の身を置くことができたこと

だと思います。

 まあ、そんなもんですね。

 でも、ぼくはこの旅行で 完全に くせになってしまいました。
そう、完全にです。

 え、何がですって?
 何がってあなた、ええ、そりゃあもう……。

ふくちゃん

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