「Viet Nam 日誌」
ふくちゃん vol. 7-1

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第2部 旅にまつわるしょむないこと
第2章 ヴェトナムという国に関するよもやま (1)におい

 出発前の読んだ本に「ヴェトナムはくさい」というくだりがあったのを何となく記憶していた。海外に行ってまず初めに触れるもの。それはまぎれもない、現地の「空気」なのである。ぼくはそれを感じることをとても楽しみにしていた。 ぼくが初めて海外旅行に行ったのは。96年の3月。ハワイだった。
 ここは、明らかに空気が違っていた。そう、空気そのものが。初めての海外旅行でかなりの興奮状態にあったのだが、それでも、空気の違いはすぐわかった。ハワイに着いたのは朝だったのだが、その空気はなんともいえない、甘く、そしてとても「濃い」空気だったことをよく覚えている。
 今回、タンソンニャット国際空港へ降りる飛行機の中、ホーチミン・シティの街をこれまた興奮状態で見おろしながら「どんなにおいがするのかなあ。そんなにくさいのかなあ」といろいろ想いをめぐらしていた。
 降りたった空港は1部にも書いたとおり雨だった。ヴェトナムの空気の第一印象は、とにかく「むっとしていた」というものだった。空港を出て街へ。しかし、においらしきものや空気の変化は以外なほど感じなかった。雨のにおいに街のにおいがかき消されていたのかもしれないと思っていたが、それは旅全体を通してもほとんど変化することはなかった。「やっぱり、同じアジアなんだな」となんとなく感じた。

 しかし、当然のごとく市場のにおいは違っていた。市場は果物や野菜、肉だって売ってる。日本みたいに冷蔵庫が発達してないので、なんでもそのまま売ってる。肉なんかに至っては、生きてる状態で売ってたりして、すごく「フレッシュ」。うーーん。なんとも言えないにおいだった。でも、そのにおいも決していやな種類のにおいではなかった。
 くさいにおいにも、いろいろなクオリティがあって、生きていくためのくささと、これから死にゆくくささとがある。ヴェトナムの市場のくささは、まさに生きていくためのエネルギーのかたまりというか、非常にホジティブで明るいくささだった。逆にそのようなくささにまでふたをしてしまっている日本人のぼくにとって、そのくささは、なんとも言えない、なつかしさのようなものを思い出させた。いや、ぼくはとくに小さいころ、くさい体験をたくさんしたわけではないんですが、人間として生きていくための"命のくささ"を感じることができたような気がした。

第2部 第二章(2)へ続く
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