|
この国に来て2日。これまでにぼくが気づいたこと、わかったことをほんの少しだけ書いておきます。それは、次の4点です。ではそれぞれ項目別に。
(1) どうしてぼくが日本人とわかるのか
(2) シクロドライバーの共通点
(3) 海外を独りで旅行して、わかったこと
ではそれぞれ項目別に。
(1) どうしてぼくが日本人とわかるのか
いきなりの答えで申し訳ないんですが、まず第一に、やっぱり日本人の顔だから。(しかし、いきなり例外)国営デパートでリュックサックを買ったとき、Roseという女の人(でもヴェトナム人)に「ヴェトナム人かと思った」と言われた。あと、たしか昨日だったと思うが、シクロのあんちゃんに「ニーハオ」と声をかけられた。今んとこ例外はこの2例だけ。
それに、なぜだかヴェトナム人はふだんTシャツを着ない。ちゃんと前をボタンでとめるシャツを着ている。どうしてなんだろう。こんなに暑いんだから、Tシャツの方が涼しくてしかも楽だと思うんだが…。
あと、リュックやウエストポーチを持ってるということ。現地の人は、これまたどうしてだかよくわからないが、みんな手荷物を持ってない。みんな、手ぶら。これも不思議の一つ。で、ぼくは今朝、リュックを買ったので、ウエストポーチはやめた。なんとなくかっこ悪いし、スリとかに狙われそう。まあ、狙われるのはリュックでも同じことなんだが、ウエストポーチは、カメラとガイドブックを入れただけでもうパンパンになる。だから…。
(2) シクロドライバーたちの共通点
基本型はまず日本語で声をかけてくること。「コンニチワ」「ドコイク」あと、英語のできるやつは「May I help you?」絶対これ。だって日本語で声をかけて反応するのは、日本人だけだもんね。で、ぼくが日本人とわかると、まず、日本にの地名を出す。「アナタドコ?トキオ?オサカ?ナゴヤ?サポロ?」みんなの共通点はまず、日本人との接点を見つけ、日本人の警戒心を解くことなのだ。そうしないと日本人はなかなかシクロには乗らない。ちなみに、地名と言うと必ず「ワタシ、ソコニトモダチイル」ということになる。その確率はかなり高い。そして、次の段階として、今までの自分の実績、つまり、いかに多くの日本人を乗せたことがあるかを証明してみせるのだ。その第一の証明物が、日本人からの手紙である。そして、日本人に対して絶対的な証明物(おそらく、ホーチミン・シティのシクロドライバーの多くが欲しがっているもの)が、本人と日本人が一緒に写っている写真&手紙セットなのだ。ぼくがいろいろ捕まったシクロドライバーで、この最終証明物を持っていたのは、先にも出てきたAnhだけだった。
あと、複数のドライバーには日本人からの手紙を見せてもらった。が、中には「これ、ほんまに日本人が書いたの?どっかの知り合いに書いてもろたんとちゃうんか」というものもあった。これは決してすべてを信用しないように。
ちなみに、Anhの口癖は「アナタ、ワタシ、トモダチ」。
あと、ぼくが考えだしたシクロドライバー逆襲ギャグ。ただしこれは、英語のできるやつじゃないとだめ。
まずは、あんちゃんが近づいてくる。日本人が独りで歩いてると、まず 120パーセント、シクロorバイクタクシーの運転手が声をかけてくる。しかも、至近距離で。
あ、至近距離と言う言葉でまた思い出したんですが、ある本(注1)の中に「ヴェトナム人はすぐ人の身体にさわる」と書いてあったんですが、それは、本当だった。その事実は、実はホーチミン・シティへ向かうヒコーキ(そう、あのほわいてぃ)の中ですでに証明されていたんです。実は。
ぼくの座席は比較的前の方だったんだが、トイレがどこかわからず、それを探すためにぼくは一番後ろの方まで行った。ところが、そのずいぶん手前(正確には、ぼくの座席のすぐ後ろ)にトイレはあった。「ずいぶん前の方にトイレはあるのよ」みたいなことを、アオザイ姿のVNのフライトアテンダントぼくは言われた。あ、そうかと思い、用を足す前に前の方に戻ろうとしたとき、彼女は「何のためらいもなく」ぼくの手首をつかんだのだった。日本人の感覚では知らない人の手首をつかむということは結構勇気のいう行動だと思う。しかも、異性の。しかし、彼女はそれをいとも簡単にやってのけたのだった。「ああ、これがそのことなんだ」とぼくは思った。
あと、もう一つ例として、ぼくが今日路上でいそいそとペンを走らせていると、案の定、シクロ乗りのあんちゃんが、珍しそうにぼくのノートをのぞき込んできた。その距離、ほとんど、顔と顔がくっつきそうになるくらい。ヴェトナム人の人間距離は、日本人のそれに比べ極端に短いのだ。
あ、ずいぶん話は飛んでしまったが、そうそう、シクロドライバーに声をかけられたときのことから。
声をかけられるのは、街を歩いているときはもちろんよくあるが、公園のベンチとかで休憩してるときに、よく声をかけられた。歩行中だと「No
Thanks」の1点張りで。速足で歩く。それでいいのだが、休憩中だと、ぼくは腰を据えているので、同じように、相手も腰を据えて話しをすることになる。そんなときはたいてい、相手もガイドブックを引っ張り出して「ここへは行ったか?」とか「ここを知ってるか?」という会話になる。そんなとき、ぼくは知ってるとこは「知ってる」、知らないとこは「知らない」と正直に受け答えをした。別にうそをつく必要もないし、うそをつく理由もない。で、そうなると、むこうも商売だから「じゃ、おれが連れてってやるよ」ということになる。当然。でも「ぼくは歩くのが好きだし、もっとこの街を歩いて回りたいんだよ」とていねいに(もちろん、片言英語で)説明する。でも、やっぱり、相手は「こんなに暑いのにわざわざ歩かなくてもいいんじゃない」という具合になる。
そのとき。ぼくは態度を一変させ「実はおれビンボーなんだ。お金くれ、お金、おねがい!お金ちょーだい!(I'm very poor.
Please give me money. Give me please.)」と一気にここで逆襲するのである。
これをやると、だいたいのドライバーは、笑ってくれる。しかし、反応はさまざま。「Oh!」と言って、金をくれるまねをするやつもいれば、「いやおれも金がないんだよ」と財布の中身まで見せてくれるやつもいた。
でも、このギャグ。ほんとはやっててあんまり気持ちのいいものではない。なぜなら、ぼくはぜんぜん"poor man
"じゃない。はっきりいって、"Rich man"もいいとこだ。いや、この国に観光客で来ている人は全員"Rich
man"と言い切ってもいいだろう。そして、このギャグをしたあとに、本当の物乞いたちがぼくの目に前にやってくる。で、ぼくはというと、その子たちに「No、No」の1点張りでぜんぜん相手にしない。なぜなら、もの乞いの子にお金をあげてしまうと、きっとその子たちは自立できなくなるだろう。一生もの乞いのままだ。
その上、決定的なことは、「お前のホテルはどこだ?」と聞かれ「Saigon」と言うと、もう、その"poor man
"というのははっきりいって「大ウソ」ということになるということだ。そう、「Saigon」は、1泊40$の彼らから見れば、「超高級ホテル」なのだ。「Saigon」には、決して、poor
manは泊まらない。SaigonホテルはRichmanだけが泊まるホテルなのだ。
(3)海外を独りで旅行して、わかったこと
旅に出る前、友人に「カメラの電池の予備くらい持って行ったほうがいいんじゃないの?だって、ヴェトナムなんかに絶対ないよ」と言われた。ぼくも「うん、きっとそうだろうな」と思ってた。しかしそれは、ぜんぜん違っていた。
結論から言うと「日本人がガイドブックを見て行けるようなところには、日常の生活に必要なものは何でも売ってる」ということだ。まあ、フエに行ったらどうなるのかわからないけど、多分大丈夫だろう。
ぼくなんか、心配してティッシュペーパー(ロールのやつ)なんか持ってきてしまったけど、あんなの街中で(今んとこはホーチミン・シティだけなんだけど)バンバン売ってる。値段は見てないが多分こっちの方が安いんだろう。もちろん、カメラの電池も売ってる。ただ、品質はやっぱり…。日本製がいい。でも、結局のところ、生活必需品は、東京もホノルルもホーチミン・シティも同じことだった。
(注1)『忘れないよ ヴェトナム!』(田口ランディ著 ダイヤモンド社) |