「Viet Nam 日誌」
ふくちゃん vol. 2-3

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第1部 Viet Nam 日誌
第2章 さあ、旅立ち そして異国へ (3)迷走、ホーチミン

7月9日 水曜日 晴 すごくいい天気 ホーチミン・シティ

 昨日、はやく寝たせいで、今日は7:00にもなってないのに目が覚めた。よく眠れたのか、眠れなかったのかよく自分でもわからない。目の前のビルが工事をしていたせいもあるのかもしれないが。
 さあ、これから1日どうしよう。まあ、部屋でじっとしてても仕方ないし、とにかく、ハラが減ってる。結局、昨日は疲れてたし、迷子になったせいもあって、夜、自分の部屋でカロリーメイトをかじっただけだった。とほほ。この部屋は朝食もつかないし、とりあえず外に出なければ。

 7:30。通勤ラッシュなのか、何なのかよくわからないが、とにかくすごい、バイク、バイク、バイク。この人たち、いったいどこへいくんだろうか? あ、そうそう、それより、朝ごはん。とにかく、ぼくはPhoが食べたてみたかった。Phoとは、もち米で作ったヴェトナム風うどん。牛肉の入ったPho Boと、とり肉の入ったPho Gaが主流。好みによってライム、もやしや唐辛子などを入れて食べる。ガイドブックで見て、見た目はまあ、おいしそう。でも、どこへいったら食べられるのかなあ。いきなり、現地の屋台もちょっときついし。そうこうしてるうちに、また迷子。昨日と同じだ。ああ、この調子じゃあ、めくらめっぽう歩いてもしかたないな。とそのとき、ふと横を見ると、なにやら学校みたいな、教会みたいな建物。そして、その中の売店みたいなところで、なんと、Phoをすすっているではないか。
 おそるおそる、その建物に入っていく。が、いったいその建物はなんだかわからない。大学のような雰囲気でもあるのだが…。
 売店みたいな、調理場みたいなとこに近づいていく。みんなぼくのことをものめずらしそうに見ている。どうせ、「Pho」なんて言ったって通じないんだ。ぼくは、どんぶりとはしで、うどんをすするまねをしてみせる。当然ながら、店員さんは笑う。ああ、ぼくはどこにいっても笑われてる。まあ、いいや。そして、よこで食べてる人のPhoを指指し「ああ。これこれ」という。おばちゃんが「ああわかったよ」みたいいな顔をしてうなずく。
まあそこに座んなさい、みたいなことを言われたので、そこへ座る。座って待ってると、ガードマンみたいな制服を着た若い男の人たちと相席になった。3人とも、きりりとした顔の男前だった。
 「どんな仕事をしてるんだ」とよく聞かれるが、News Paper Companyがなかなか通じない。結局そこでも、通じなかった。前で食べてる人の見よう見まねでPhoを食べた。ちょっと、ところてんに似たような、不思議な食感。でも、すごくおいしかった。毎日これ食べ続けてもたぶん飽きないと思う。ああ、よかった。よかった。
 ちなみにPhoは5000D。円とVNDとUS$との関係はだいたい、 100円=10000VND。ガイドブックには、1$=10000=100円となっているが、実際には、1$=115円=11000VNDくらいの関係になっている(97年7月現在)。

 まあ、おいしく朝ご飯は食べられたものの、とりあえず立場は迷子。また、街をさまよい歩く。そしてそこで、またまた神様が現れた。どうやらぼくは、迷子になると、自然と教会へたどりつけるようになってるみたい。というか、目印になる建物がまだ教会くらいしかないんだろう。
 ああ、またまた助かった。とそこに、1人の少女が…。なんだ、絵ハガキ売りか。うーーん、いらない、いらない。No No。だが、相手もしぶとい。うーん、No No。でもやっぱり、まとわりついてくる。うーーーん。もう。
 疲れていたぼくはベンチに腰をかける。とやっぱり、やつもじろじろ上目使いでぼくのことを見る。そして、会話の途中で必ず絵ハガキを売る。しかし、ぼくは断る。しまいには、ぼくが見ている地図を取り上げてみたり、単語帳の枚数を数えだしたりする。
 
幸か不幸か、なんとなく情が移ってしまい、絵ハガキがいくらだか聞いてみた。
 「2$」そりゃちょっと高すぎだ。No No。1$にまけろ。そうすりゃ買ってやる。だめ?すると、やつもソッポを向く。まあ、じゃあ、仕方ない。1$と5000Dでどう?というと、やっと彼女は「うん」とうなずいた。まあ、そんな悪そうなやつじゃないし、なにせ、頭のいい子だった。
 絵ハガキを買ったその代わりに、教会の前で1枚写真を撮らせてもらった。そして、教会の前で別れた。

 あ、そうそう、忘れないうちに、リコンファームをしておこう。万が一し忘れると日本へ帰れなくなってしまう。そして、ヴェトナム航空のオフィスへと向かった。
 ヴェトナム航空のオフィスの入ると、「ここじゃないよ。外に出て右側だ」と言われた。しかし、それらしきものはない。後でわかったのだが、そこは国内線のオフィスだった。しょうがなしに、旅行代理店みたいなとこに入った。しかし、そこでもないと言われ、こう書かれたメモを渡された。

116 Nguyen Hue

 でもこんなのよこしてもらっても、ちっともどこだかわかんないよ。ああ、どうしよう。そうこうしてるところへ、教会前の絵ハガキ売りの神様少女が現れた。
 「ねえ、どうしたの?」
 「いやあ、この場所がわからないんだ。お前、わかるか?」
 すると、少女はすかさず近所のシクロのおっさんにその場所がどこかを聞いてくれた。そして、ぼくの手を引いて、見事ヴェトナム航空の国際線オフィスへと連れていってくれた。ぼくは「ありがと、ありがと」と何度も礼を言った。
 リコンファームはいたって簡単だった。
 オフィスで「リコンファーム、リコンファーム」と騒いでいると、オフィスの人がちゃんとやってくれた。
 その間、神様少女はぼくが出てくるのを待っているみたいだったが、途中で姿を消してしまった。
 それにしても、アオザイはきれいで、その上すごくSexyだ。いや、VNのオフィスでみかけた、白のアオザイを着た人を見たときは思わず、"生ツバゴックン"だった。ほんと、パンティの線までピッチリ。まあ、それは、それとして…まあ、まあ…。

 さあ、リコンファームも済んだ。エアチケットをホテルに預けてちょっと足を伸ばすか。でも、歩きじゃちょっとしんどい。そこで、自転車を借りることにした。
 ホテルの付近を歩いてみたが、それらしき店がみつからない。そうしてるうちに、やっぱりシクロのおっさんが声をかけてくる。
 いや、No No。ぼくは、レンタルちゃりを探してるんだよ。シクロはいい。すると、
 「おれ、知ってる。さあ、乗れ乗れ」と勧める。
 「シクロ代は払わないからね」
 「OK、OK」
 ほんと大丈夫なのかなあ。、何はともあれ、ぼくは初めての「だたシクロ」に乗るなった。はっきりいって、シクロの乗り心地はすごくいい。「あ、これなら金払って乗ってもいいかな」と思ったくらい。

 そして、行き着いた先、ぼくの目の前には電信柱に横たわる1台のおんぼろちゃり。
 「えーー、これ」
 「そうそう」
 1日5$でどう、と言われた。まあ、こうなったらそれでいいや。
 と、1日5$でボロちゃりを借りる。しかし、乗ってしばらくして「あ、これはボラれたな」と気づく。でも、もう遅い。せめてもう1$くらいまけさせればよかった。まあいいや。さあ、ちゃりでファングーラオへ。

 ファングーラオ通りは安宿街として知られる通り。日本人も多くいるとか。しかし、そこまでの道のりは、やや手間取った。というのも、ヴェトナムは一応、右側通行(しかし、なんとなく)。日本は左側通行なので、自転車に乗ってると無意識のうちに左の方へ寄ってしまってる。やっとの思いでたどりついたが、ガイドブックとはずいぶん様子が違っていた。あるはずのホテル街がなかったり。ぼくの地図の見方がおかしいのかなあ…。でも、まあまあ、自分が描いていたイメージに近かった。
 
 夕刻のホーチミン・シティ。
 勤め帰りの通勤ラッシュなのか(この国にも通勤というのが、あるのか…。いや、あるんだろう。おそらく)バイクの数が増えてきた。ぼくもこの2時間ほど自転車に乗って、うろうろしたみたのだが、この街のいくつかの疑問点が解明されてきた。
まず、交差点の問題。この街、よほど大きな交差点でなければ信号はない。当然、同じくらいの道幅の道路でも。しかし、路上にはたくさんのバイクや自転車であふれている。では、どのようにして道路の秩序が保たれているかというと…。

 ぼくが見たところ、同じくらいの道幅の交差点の場合、必ずどちらかが優先的な道路になっている。そのような状態が続けば、当然、もう一方の道路のバイクは通行しづらい状態が続いてしまう。そのような状態が続けば、非優先的道路にどんどんバイクがたまっていってしまう。たまったバイクは後ろからのプレッシャーにより、じわじわと前進してくる。そして、交差点を完全に寄り切って(いきなり相撲用語)しまった時点で優先、非優先の関係が逆転する。この逆転関係が規則的に行われているため、交通がうまく機能しているともの考えられる。

自転車の流れに乗って街を走っていると、なんとなく訳もなくではあるが、(もちろん、訳があって走っている人もたくさんいるんだろうが)走り回っているヴェトナムの人たちの気持ちがわかってくるような気がする。なんとなく、楽しい。だた、ぼくはこの街のことをよく知らなくて、いろんなことを発見できてるから楽しく感じるだけなのかもしれなしのだが…。その辺は、まだ謎です。
 あと、日本でもバイクに乗ってて右折がこわいのと同じで、自転車での左折がすごくこわい。この交差点にしゃがみこんで、日誌を書きだしたきっかけも、左折がこわくてできなかったから、しかたなく。でも、行かないと。だって、このまま永久に左折しなかったら、ホテルにも戻れないし、ちゃりだって返せない。
 
さてっ。と。
 またまた、教会のとこまで来た。
 ベンチに座って教会の絵を書いてると、なにらや雲ゆきがあやしくなってきた。教会の向こうの空は真っ黒。と思ったら、やっぱりポツポツと降ってきた。シャワーだ。

 時刻は17:20。あ。そうそう、自転車を18:00までに返す約束だったんだ。雨が本降りになる前に元の場所に戻さないと。ここ(教会)からちゃりを返す場所までは、そう遠くない。とばせばせいぜい5分くらい。しかも1本道だ。でも、もしだれもいなかったらどうしよう。ちゃりをそのまま放置してホテルへ帰るわけにもいかないし…。
 しかし、その心配はすぐ吹き飛んだ。ぼくに、いかがわしいレンタサイクルを教えてくれたあんちゃん(後に彼の名前がAnh Haoということが判明する)がなんと手を振ってぼくを出迎えてくれたのだ。おお、ちゃんと覚えててくれてたんだな。
 ちゃりんこを返したはいいものの、すごいシャワーになってきた。どうしようもなくなって、そのへんのテントみたいなとこで、雨宿り。さらに雨は強さを増していった。Anhがぼくに声をかける。
 「おい、こっちにこい。テントじゃずぶぬれにらるから」
 結局そこで雨宿り。場所はドンコイ通り沿いにある、キャセイパシフィック航空の前。どうやら、ここはやつの縄張りらしい。彼の仲間2、3人と話をしながら、時間を過ごす。
 若いシクロ乗りのやつは、ぜんぜん英語はできなかったが、なかなかおもしろいやつだった。それに、顔つきがちょっと日本人に近く、なかなかの男前というか、愛敬のある顔をしていた。
 男どうしの会話だったので、たびたにしもねたの話題になった。やっぱこういうのは、世界中共通なんだなあ、と思った。
 そして、Anhの仲間のもう1人が、もう、どうしようもない

「エロ男」

だった。やつは、何かというと「チンポ」、「オマンコ」、「オッパイ、モミモミ」を連発した。3回に1回くらい、「オカマ」がまじった。名前も聞かなかったが、もう、顔を見ただけで「品のなさ」がにじみでていた。

 そうこうして、1時間くらいつぶしているうちに、ようやく雨が小降りになってきた。Anhのシクロに乗るつもりはないし、あんまり長い間一緒にいて期待させても悪い。第一、彼らの仕事のじゃまになる(でも、あとから考えるとそんなことなかった)。
 「じゃ、悪いけどこのへんで」
 と言って立ち去るが、当然のことだが、ついてる。No、No。ほんとにいいんだ、となんとか振りきって、また、街中を歩く。しかし、もうこのドンコイ通り沿いはずいぶん歩きまわった。とりあえず、一度ホテルへ戻ろう。

 しかし、この街はほんとうに不思議な街だ。ここだけじゃないのかもしれないが、外にいるときは決まって早くホテルに戻りたくなるのだが、ホテルに戻るとどうしても、また、外へ出たくなる。よく解らないが、ほんとうに不思議だ。
 実は、今もこの日誌をホテルの近くの交差点の路上でに座って書いているんだが、こうして書いている今も、早くホテルに帰りたいと思いながら書いている。でも、ホテルに戻らないのは、戻ってしまうと、必ずまた外に出たくなるからだ。

 でも、そろそろ戻るか。
 ホーチミン・シティの夜は、もう1度ある。


第二章 その4へ続く

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